在宅だけでは「限界」―全国老施協・中田会長(医療介護CBニュース)

 全国老人福祉施設協議会(全国老施協)は3月9日、社会保障制度についてのセミナーを東京都内で開いた。この中で「介護保険制度これからの課題」をテーマに講演した中田清会長は、「在宅、在宅と言うが、在宅(での生活)には限界がある」と指摘した上で、施設整備の重要性を訴えた。

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 中田会長は、現在の国の介護や福祉に対する政策の流れについて、「いわゆる脱施設、特養解体、在宅偏重路線というのは間違いない」との認識を示した。一方で、在宅サービスについては、家族介護の存在が前提であり、「家族が何らかの形でかかわっていなければ、今の在宅サービスで要介護4、5の重度の方が生活をするのは難しい」と指摘し、「特養整備を全国老施協としても訴えていく」と強調した。
 また、介護事業者が今後取り組むべき課題としては、▽魅力ある職場づくり▽高品質サービスの構築▽地域貢献―の3点を挙げた。

 また、全国老施協常任顧問の中村博彦自民党参院議員は、「現場の風が制度をつくる―苦闘10年を振り返って」と題して講演した。中村氏は、「日本の介護が輸出品になる」とした上で、今後はアジアの介護人材との連携が必要と指摘。現在、インドネシアやフィリピンから受け入れている外国人介護福祉士候補者については、「介護現場に活を入れる存在」との認識を示した。その上で、「アジアの介護職と共に手を結んでこそ、日本の介護が明るく楽しいものになる」と述べた。
 また介護職員の「キャリアパス」については、それぞれの事業者がどう構築すべきかを考えるべきとし、「(2012年度から始まる)第5期の事業計画に展開していかないと『負け事業体』『負け社会福祉法人』になる」と警鐘を鳴らした。

■高齢化は「ビジネスチャンス」―国際基督教大・八代教授
 また、「社会保障の展望―規制改革の課題」と題して講演した国際基督教大教授の八代尚宏氏は、75歳以上の高齢者の数について、「(2030年まで)毎年45万人増えることになる」と指摘。このことが、社会保障にとっては「負担」とする一方で、「高齢化を負担と考えずに、ビジネスチャンスと考える必要がある」との認識を示した。
 その上で、介護を「画一的な福祉」から「多様な個人消費」に変えることが重要と指摘。介護保険で標準的なサービスを提供する一方で、裕福な人については高付加価値、高価格の介護サービスを自由に購入できるよう制度を改め、介護サービスの質向上や雇用の創出などを目指すべきと主張した。


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